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【なんちゃってレビュー】錦繍(宮本輝)新潮文庫

こんばんは、まつじです。ようこそお越しくださいました。今回は、宮本輝さんの『錦繍』について少し書いてみました。

 

前略

 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした。私は驚きのあまり、ドッコ沼の降り口に辿りつくまでの二十分間、言葉を忘れてしまったような状態になったくらいでございます。

 

この、あまりにも有名になった書き出しで、宮本輝の『錦繍』(1982年)は書き起こされました。「前略」とあるように、この文は手紙の文章であり、全編が往復書簡集として構成されています。

話の筋はと言えば、至極乱暴に言えば、かつて夫婦であった2人の「再生」の物語であると言えよう。それを私は、

 

10年前に起きた事件の後で別れた夫婦が偶然出会ったことから始まる往復書簡という形で提示される物語。己の為した善と悪全ての「業」にその人間は左右される。そして、その「業」とは、縁する人間にも影響を与えてしまうのだろう。靖明が同棲していた女性とPR誌の制作を始めたことや、亜紀は息子の障害などの全てを受け入れて、夫との離別を決意する。宮本作品は時々読んできたが、共通しているのは、必ず「心根」のよい人が、周りを幸福にしていくということだ。この『錦繍』、このタイミングで読めてよかったと思う。【17/04/23読了】

 

と「読書メーター」でまとめました。試しに、最近の感想を読んでみると、辛口の書評ばかりで、ちょっと意外でした。

今、一つ加えることがあるとすれば、「恋愛」が終わり、「生活」が始まるお話しであると思ったということだということです。

 

錦繍 (新潮文庫)

宮本 輝 新潮社 1985-05-01
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